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観たもの、読んだものの感想メモです。

映画「ギフテッド」

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(C)2017 Twentieth Century Fox 

 

 

ギフテッドという言葉の意味を初めて調べることになった映画です。

giftの造語で、感動的な意味合いを持たせたのかなと安易に想像したのですが

語源としては、さほど外れてはいなかったようです。

ギフテッドは、外部に対する世間的な成功を収めることではなく、内在的な学習の素質、生まれつきの学習能力を持つことを指す。

ギフテッド (gifted)は、贈り物を意味する英語の「ギフト (gift)」 が語源であり、神または天から与えられた“資質”、または遺伝による生まれつきの「特質」と言える。  

https://ja.wikipedia.org/wiki/ギフテッド

 

良い映画でしたが、盛り上がりに欠けるようにも感じました。

雰囲気やキャラクターは良いが、こういうテーマは今やありふれているので

秀でた評価は既に「アイ・アム・サム」が持って行ってしまったような・・・

もちろん、話の内容は全く違いますが。

 

フロリダ州の海辺の町で暮らすフランクは、

その姪であるメアリーと、片目の猫フレッドと一緒に生活をしています。

 

メアリーの母親は、有名な数学者でした。

その天才的な才能は彼女にも引き継がれており、

母親は彼女が赤ん坊だった頃に自殺していました。

 

フランクはメアリーに普通の子供に育ってもらうことを望み

公立の学校へ通わせていましたが、子供らしく振る舞えず

先生を困らせる日々が続きます。

先生たちは彼女に「ギフテッド教育」を受けさせるべきではないか?と

私立の学校を勧めます。

 

そんななか、祖母であるイブリンという女性が突然彼らの元へ訪れます。

イブリンはメアリーに娘と同じく優秀な数学者になってもらうべく

英才教育を受けさせようとします。

それは結果として、フランクの元からメアリーを引き離すことを意味しており

抵抗したフランクは親権争いのため、裁判を起こすこととなってしまいました。

 

 

この映画のテーマは、

『メアリー(ギフテッドを持つ子)にとっての本当の幸せとは何か?』と

いうところです。

 

彼女の意志が第一ですが、幼い少女がその選択をするのは

とても難しいことだと思います。

だからこそ、その時に接してくれる周囲の大人の存在は大きいですよね。

触れるもの、見るもの、それらは自分で選ぼうにも

幼少期には限界があります。

大人が与えてくれたものが、成人した今の自分を作っているとつくづく感じられます。 

 

フランクは、普通の子供として育つこと(特別扱いをされたり、周囲から浮かないこと)が

彼女にとって良いことだと思っているし、

イブリンは、その素晴らしい才能を活かし、成功するべきだと思っている。

 

フランクが頑なに、普通を主張していたのは

亡き姉の最期を見ていたこと。そして何よりも、自分の子であるメアリーを

母ではなくフランクの元に預けた・・・というところでしょう。

 

持って生まれた特異的才能を開花させることだけが

必ずしも、本人の幸せになるとは限らない。

正解のない問いだと思います。

 

この子役、メアリーを演じるマッケナ・グレイスちゃん。

ものすごっっっっっっっく可愛い。

ダコタ・ファニングちゃんも可愛いけれど・・・・

 

メアリーのあの怒った顔が、たまらなかったです。

基本、ずっとしかめっ面をしています。

トレーラーでブチ切れていたあの顔を見て「観よ。」と思いました。 


クリス・エヴァンス出演 映画『gifted/ギフテッド』予告

 

どういうエンドが望ましかったかといったら

やはり、この映画のようなエンドなのでしょう。

目新しい結末が欲しいと思ってしまうが、

家族をテーマにした映画に、バッドエンドも嫌ですしね・・・。

 

マッケナ・グレイスちゃんと

片目のフレッドを観るだけでも癒される映画です。

 

映画「インセプション」

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Photofest/WarnerBros.Pictures/ゲッティイメージズ

この映画の面白い点は「他人の夢に入り込む」という

非現実的なテーマが主軸である事です。

 

レオナルド・ディカプリオ演じる主人公コブは、

人の潜在意識に潜り込み、アイディアを盗むことを

仕事にしているのですが

渡辺謙演じるクライアントのサイトウに

アイディアを「植え付ける=(インセプション)」仕事を

依頼される・・・というあらすじです。

 

とても危険な仕事であるので一度は断るのですが

ある条件を突きつけられたコブは、

そのミッションを引き受けることにします。

 

何故かというと、その条件は

彼が「今後の人生を幸せに生きるため」に

必要不可欠な魅力的な条件であったからです。

 

インセプションを成功させるため、

メンバーを集め訓練に励むのですが

その中に「夢を設計する」為の重要な役割を担う女学生が登場します。

夢を設計する、という単語も空想上でふわふわしているのに

妙に理科学系な響きを持っていて、ワクワクします。

そしてそれを現実的にする映像美こそが、

この映画の魅力です。

 

現実ではありえないことが、夢の中では可能。

夢と現実を行き来する彼らは、

この世界がどちらであるかを判断するのに

各々が判断材料を持つように心がけているのですが、

それもまたオシャレだと感じます。

 

コブの場合は、鉄製の駒なのですが

駒が回り続ければ、夢の中。

徐々にスピードが落ち、回転が止まれば

現実の世界、というわけです。

 

つい、夢日記はつけてはいけないと言われる

不気味な習わしを思い出してしまいます・・・。

 

余談になりますが、夢って確かに文字起こしすると

忘れないんですよね。

そのままだとボンヤリとして思い出せなくなることが多いのですが

一度そのままザーッと書いてみたら、

風景や感情がくっきりと残って、

なぜ禁止されているのかが、なんだか分かるような気がしました。

知人も出ず、あまり幸福な終わりではなかったので、余計に・・・。

 

インセプションの一番のお気に入りは

ラストシーンに有り。

賛否両論あると思いますが、非常に余韻を残す終わり方です。

 

この映画を見て、筒井康隆さん著の

奇小説「パプリカ」を思い出した私ですが

そういった方は世間に沢山いたようです。

「パプリカ」もエキセントリックで

とても美しくて素敵ですので、今後感想文を認めたいと思います。

 

一度観ただけでは、なかなか理解に苦しむ内容かもしれません。

これが「誰の夢なのか?」

これが「夢なのか、現実なのか?」

さらに「夢の中の夢なのか?」と

疑いながら観ると、何度も楽しめる映画です。

 

 

 

 

映画「羊たちの沈黙」

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Orion/Photofest/MediaVastJapan


 

好きな映画ベストに入れたい洋画、
羊たちの沈黙」です。

 
FBIの訓練生であるクラリスジョディ・フォスター)が、

ある連続殺人事件の任務を任され、

その事件を解決するため精神病棟に措置入院している男に協力を頼み、
奇怪な事件の真相に迫っていく、という話です。
 
そしてその精神病棟に入れられている男こそが
アンソニー・ホプキンス演じる
レクター博士という元精神科医です。
 
彼はとても頭がよいのですが、
人肉嗜好という途轍もない趣味を持つ異常人物で、
病棟にほぼ隔離されるかたちで収容されています。
 


このきっかけとなる事件の真相も、不気味で面白いのですが
私が見どころと感じたのは、
レクター博士と訓練生クラリスのやり取りです。
 
レクターはクラリスに事件のヒントを与えるため
交換条件で君の事を教えてほしい、といいます。
そして彼女は自分でも気付いていなかった
(記憶の中に閉じ込めていた?)
ある奇妙な「トラウマ」を呼び起こされる事となります。
 


他のシリーズにもレクター博士として
アンソニー・ホプキンスは出演しているのですが
ジョディ・フォスターは彼女の意向で
この「羊たちの沈黙」のみの出演となりました。
 
初めに画面に映っただけであの存在感と
恐怖心を煽るレクター博士は、
本当に魅力的なキャラクターです。

優れた洞察力、頭の良さと
異常な好奇心だけで動いている人間だと感じさせます。
 


この映画タイトルの意味は、
クラリスの「トラウマ」に関係しています。
クラリスは幼い頃、羊飼いだった叔父の家である期間だけ暮らしていましたが
ある日の夜中に、羊の叫び声が聞こえ、
それにより叔父の家を飛び出して逃げたというのです。
 

この事柄に決定づけられたものはありませんが
レクター博士は、彼女が誰かを救いたい気持ち(FBI捜査官)は、
その出来事が発端ではないか、と興味を抱くようになります。
 


そして、物語の最後に、博士はクラリスに電話をかけて、尋ねます。

「羊たちの悲鳴は止んだか?」と。

 
これが映画のタイトルに意味深に響いていますよね。

沈黙はクラリスにとって良いことを
意味しているような気もするけれど、
悲鳴が止んだ後の沈黙とは
沢山の羊の死を意味する様な気もします。
 
ストーリーも秀逸ながら、この映画には気になる言い回しや
何の意図が隠されているのか、よく分からない台詞が多く出てきます。


頭のいい人たちの会話を垣間見ているという気分にさせられ、とても見ごたえのある映画だと思います。
 
 
シリーズとして、幾つかの映画が出ていますが
羊たちの沈黙」が群を抜いて、知的だと感じます。

  

映画「スター・ウォーズ エピソードⅧ」

 

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(C) 2017 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 



 

このポスターお洒落だな〜と思います。

 

流行りに乗っかって・・・というよりも、

エピソードⅦの公開記念で、Ⅰ〜Ⅵが地上波放送された時

「今しかない・・・スター・ウォーズに挑戦!」と意気込んで丸2日で鑑賞(貴重な冬休みをほとんどねこと寝て過ごしてしまった為、駆け足で見るしかなくなった。)、そのままⅦを観に映画館へ走りました。

 

父母がファンだったものの、独特なネームに

雰囲気負けしてずーっと観られずにいたのです。

洋画の難点といえばそこ・・・。

どちらかといえば邪道物の方が好きな私ですが、

これは超王道中の王道。だからこそ、老若男女が受け入れられる

作品なのだと思います。

 

今回のⅧは、2年間心待ちにしていたので

公開初日の夜に映画館へ行きました(^▽^)

 

 

--※以下ネタバレを含む、感想です--

 

予想外で面白かった展開と、「エッ!?」という展開と
非常に複雑なエピソードⅧでした。

 

ルークと修行をし、洗練されたレイが
レジスタンスと共に力を合わせてファースト・オーダーを撃退(手前!)までが
Ⅷの流れなのかな~と勝手に思っていたのですが、
予告編を見る限り、ルークは後ろ向きだし
レイは不安定だし、危うい流れがⅧの見どころなのか・・?と不安と期待。

 

序盤は、

 

・ルークとレイの修行
レジスタンスの内輪揉めによる
 ポーとフィンの別作戦
・カイロ・レンの苦悩

 

が慌ただしい場面転換で進んでいき、
最後に「ルークVSカイロ・レン」という今回の大きな見せ場をで取りまとめたような気がします。

 

レビューにも飛び交ってはいますが、
スノークのあっさり感とカイロ・レンの裏切りの理由に関しては
もう少し練られたものがあって欲しかったですね。

あれじゃ、いくらなんでも可哀想なカイロ・レン。

 

ダース・ベイダーの凄惨たる悪に対して、
カイロ・レンは未成熟な悪であり、その揺れ具合が魅力なのだろうなと感じました。


時折見せる微妙な表情と、後戻りできるところに居るとは思えない孤独と、
主人公レイの行き場の無い感情と、哀しい真実が
敵対しているのにどこか通ずるところがあって、それが不安定。

 

スター・ウォーズの最大の魅力は
闇側と光側に切っても切れない「血筋」が関係しているところだと
個人的には思っているのですが、
主人公のレイの生い立ちについて、何かしらの血筋の疑いも
呆気なく外れてしまいました。

 

何よりも納得いく流れを期待してしまった。

 

敵陣が完全悪であれば、多くの人の心を魅了することは
もしかすると無かったのかもしれないと思わせる物語だと思います。

 

確立されたキャラクターも尚、
世代を超えて愛される理由の一つですね。
BB-8のグッズが欲しい、今日この頃です・・・。

 

大画面と大音量でオープニングを観たいが為に、
年内中にもう一度映画館へ足を運びたい・・・!(;”;)
でも3時間はちょっとしんどい・・・!

 

エピソード9の公開は2019年5月だそうです。

監督はJ・Jエイブラムス監督(エピソード7)です。

この監督の撮る映画が好みなので、ずっと同じが良かったです(笑)