....... _φ(・_・

観たもの、読んだものの感想メモです。

映画「インセプション」

f:id:aokuromi:20180105115245j:plain

Photofest/WarnerBros.Pictures/ゲッティイメージズ

この映画の面白い点は「他人の夢に入り込む」という

非現実的なテーマが主軸である事です。

 

レオナルド・ディカプリオ演じる主人公コブは、

人の潜在意識に潜り込み、アイディアを盗むことを

仕事にしているのですが

渡辺謙演じるクライアントのサイトウに

アイディアを「植え付ける=(インセプション)」仕事を

依頼される・・・というあらすじです。

 

とても危険な仕事であるので一度は断るのですが

ある条件を突きつけられたコブは、

そのミッションを引き受けることにします。

 

何故かというと、その条件は

彼が「今後の人生を幸せに生きるため」に

必要不可欠な魅力的な条件であったからです。

 

インセプションを成功させるため、

メンバーを集め訓練に励むのですが

その中に「夢を設計する」為の重要な役割を担う女学生が登場します。

夢を設計する、という単語も空想上でふわふわしているのに

妙に理科学系な響きを持っていて、ワクワクします。

そしてそれを現実的にする映像美こそが、

この映画の魅力です。

 

現実ではありえないことが、夢の中では可能。

夢と現実を行き来する彼らは、

この世界がどちらであるかを判断するのに

各々が判断材料を持つように心がけているのですが、

それもまたオシャレだと感じます。

 

コブの場合は、鉄製の駒なのですが

駒が回り続ければ、夢の中。

徐々にスピードが落ち、回転が止まれば

現実の世界、というわけです。

 

つい、夢日記はつけてはいけないと言われる

不気味な習わしを思い出してしまいます・・・。

 

余談になりますが、夢って確かに文字起こしすると

忘れないんですよね。

そのままだとボンヤリとして思い出せなくなることが多いのですが

一度そのままザーッと書いてみたら、

風景や感情がくっきりと残って、

なぜ禁止されているのかが、なんだか分かるような気がしました。

知人も出ず、あまり幸福な終わりではなかったので、余計に・・・。

 

インセプションの一番のお気に入りは

ラストシーンに有り。

賛否両論あると思いますが、非常に余韻を残す終わり方です。

 

この映画を見て、筒井康隆さん著の

奇小説「パプリカ」を思い出した私ですが

そういった方は世間に沢山いたようです。

「パプリカ」もエキセントリックで

とても美しくて素敵ですので、今後感想文を認めたいと思います。

 

一度観ただけでは、なかなか理解に苦しむ内容かもしれません。

これが「誰の夢なのか?」

これが「夢なのか、現実なのか?」

さらに「夢の中の夢なのか?」と

疑いながら観ると、何度も楽しめる映画です。